患者にはとても言えない「病院の真実」前編 医者・看護師・事務員が明かす

2010年09月29日(水) 週刊現代

週刊現代賢者の知恵

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 日本人の2人に1人はかかる、いわば国民病ともいえるがんは、病院にとって儲かるか? この問いの答えは、「患者の入院が長引くほど儲からない」である。それは次のような理由によるという。

「たとえば、がんなどで大きな病院に入院した患者さんに対して、国から出る医療費は厚生労働省により上限が決められていて、それを超える分は病院の負担になってしまいます。したがって、抗がん剤治療やMRI、CTといった検査関係などは、入院中に何度も行うと、医療費の上限を超えて、赤字になってしまう。一方、外来で抗がん剤治療や検査を行う場合は、その度に医療費が請求できる。

 つまり病院にとっては入院せずに、抗がん剤治療や検査のために通院する患者が、"おいしい患者"と言えるでしょう。がん患者でも3週間ほどの入院で退院させてしまい、あとは通院して抗がん剤治療をするケースが多くなっているのは、そのような理由からなのです。また最近、点滴外来センターなどができているのも同様の意味があるのでしょう」(都内の総合病院内科医)

 だが、それよりももっと"おいしい"のが、人工透析だという。

「人工透析は患者負担が年間1万円くらいですが、保険から支払われる医療費は年間500万円くらいなので、これをやっていたら病院は食いっぱぐれがない。人工透析の患者を50~100人つかまえたら病院は安泰だと言われています」(医療ジャーナリスト・吉原氏)

 人工透析を続けている人には気分のいい話ではないが、「治らない・死なない病気は儲かる」というのがこの世界の常識らしい。

「なので、糖尿病や高血圧、慢性疾患は儲かりますし、整形外科も利益率が高い」(関西の公立大学病院内科医)

 逆に儲からないのは、外科の開業医だという。だから外科出身の開業医は、内科、小児科、耳鼻科などと複数の診療科目を掲げているところが多い。この開業医の専門分野について、東京都荒川区にあるクリニックの院長が、こんな指摘をする。

「麻酔科を掲げる場合には厚生労働省が許可した『麻酔科標榜医』が常勤している必要があるのですが、それ以外はなにを掲げるのも自由なのです。つまり、耳鼻科でも眼科でも皮膚科でも、どんな看板も出せる。うちの病院は内科(消化器・循環器・呼吸器)と掲げていますが、『内科・整形外科』や『内科・皮膚科』なんて開業医は、基本的にありえないですね。

 中にはきちんとすべての診療科を勉強している先生もいるかもしれませんが、たとえば『産婦人科・内科』とあったらその医師は産婦人科医であって内科は片手間に診ているケースがほとんどでしょう。

 『泌尿器科・皮膚科』とあったらその医師は泌尿器科医であって、皮膚科は外陰部のちょっとした湿疹やできものを診てくれる程度、と考えたほうがいい。患者さんは、開業医の看板を見て、その医師の経歴や専門がどんなものかをよく見極めたほうがいいのです」

 また、病院は検査で儲けているともいわれるが、これについては、どうだろう。

「まあ、そうでしょうね。とくに泊まりがけの人間ドックは儲かる。ただ、多くの病院でMRIやCTを自分のところで撮りたがるのは、必ずしも儲けるためではなく、直近の画像で判断したいという理由からです」(都内の大学病院事務職員)

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