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患者にはとても言えない「病院の真実」前編
医者・看護師・事務員が明かす
週刊現代 プロフィール

 紹介状とは、病名・治療経過や症状経過・現在の処方や検査結果をかかりつけ医に書いてもらうもので、別名「診療情報提供書」という。

 紹介状がない患者は診ないという病院はない。どの病院でも、診てもらうことはできる。ただし、紹介状は、ないよりあったほうが絶対に良いのである。

「紹介状には、病状や検査結果も添えられるので、最初から患者さんの医療情報が伝わる。当然、画像などは改めて見ますが、一から検査をし直す必要はなくなるので、患者さんの負担は省けます」(東京慈恵会医科大学附属病院・泌尿器科講師の三木健太医師)

 紹介状がないと、これまで別の病院で受けてきた検査の結果などの診療情報が引き継がれないので、改めて検査することになる。時間も費用もかかってしまう。さらに、紹介状を書いてもらうことによって余計な出費の節約にもなるという。医療ジャーナリストの吉原清児氏が解説する。

「ベッド数200床超の病院の場合、紹介状がないと『特定療養費』という名目で特別料金を請求されます。特定療養費の金額設定は各病院が任意で設定できる。たとえば、東京大学医学部附属病院や慶應義塾大学病院では各5250円、国立がん研究センターは8400円というように、病院ごとに異なる実費が上乗せになります。一方、紹介状は患者負担3割で1500円。開業医でも書いてもらえるし、そのほうが得なのです」

 紹介状を書いてもらうメリットはこれだけではない。

「診てもらいたい医師が決まっている場合は、病院名・診療科名だけでなく、医師の名前も紹介状に記入してもらうことがポイントです。医師名が書かれた紹介状を持ってきた場合は、その医師が担当するケースが多い」(都内の私立大学病院内科医)

 患者から依頼されたら、紹介状を書く。それは、医師の義務であり、それによって保険点数も加算されるシステムになっているので、遠慮する必要はまったくない。強力なコネとカネがあれば別だが、一般人は、かかりつけ医に希望する病院だけでなく、希望があれば医師名も紹介状に記入してもらうのがベストだろう。

みんなこそこそ、手術の礼金いくらでいいですか

 手術前、現金を忍び込ませた菓子折りを担当医師にこっそり手渡す・・・そんな昔からの「礼金」の慣習は、いまも続いているものなのだろうか。もしそうだとしたら、いくらを、どのように渡すのがいいのだろうか。そもそもあげないといけないのか―こんな聞きにくい話を、都内の総合病院の内科医にたずねてみた。

「礼金は禁止で、院内の壁にも『医者や看護師へのお礼は受け取れません』と貼り紙がしてあります。ただ、物まで拒否はできませんよね。例えば商品券。外科医などでは、もらっている人が多いと思います」

 だが、礼金については、公立病院と私立病院ではまるで違う。公立病院の医師は公務員なので、当然、受け取ってはいけないし、それを禁止する法律もある。私立も一応、禁止が建て前になっている病院が多いが、いまだにその慣習が生きている。

「こちらから要求することはありませんが、患者さんがくれると言うなら黙ってもらいます。相場は決まっていません。普通は5万~10万円です。ただ、患者さんによっては50万円ということも少なくない。受け取るのは自分が一人でいるときです。間違っても研修医や看護師など他者がいる際にはもらわない」(千葉県内の私立病院外科医)

 20年ほど前に比べて、礼金を渡す患者も、その金額も減ってきているというが、表に出ずとも、その文化はいまだに残っている。一般的な礼金は、3万~10万円。手術前にそっと渡す人もいれば、手術後にお礼として渡す人もおり、手渡すタイミングはさまざまだ。