こんなことができるのか 日本の理系ってすごい!
メガネなしの3Dテレビ/高さ634m 東京スカイツ
リー建設 文系にも分かるよう説明してくれました

 理系人間は黙々と進化を遂げている。たとえば、東京スカイツリー。世界最長の電波塔がどういう工法で作られているか知れば、落ちぶれつつあるこのニッポンもまだまだいけるぞ、そんな気にもなる。

ここからが腕の見せ所

 映像が飛び出すように見え、厚みと奥行きもしっかり感じる。ビールを飲む俳優が目の前に現れたかのようだ。真正面からだけでなく、見る位置を変えても違和感なく立体的。3Dの映像が裸眼で見られるなんて―。

 これはすごい。日本が誇る技術のすごさは分かるが、理屈はサッパリ・・・。そんな文系記者が四苦八苦しながら、メガネなし3Dテレビ、東京スカイツリーの建設、高層ビル解体など最新の技術の世界について、理系技術者に分かりやすく話してもらった。

 まずは、東京・墨田区押上の下町の空に聳え立つ東京スカイツリーから。

 '08年7月の着工以来、'11年12月の竣工へ向け建設は順調に進んでいる。現場を訪れると、完成前にもかかわらず、多くの見物客が行き交い、みな必死にカメラを上に向けている。真下から見上げても、最上部ははっきりと見えないほどだ。ちなみに、9月18日時点でその高さは461m以上。これが634mまで伸びる。

 前例のない高さまでの挑戦はなぜ可能になるのか。施工を請け負うのは、大手ゼネコンの大林組。これまで世界中の建築物を手がけてきた実績を持つ理系の精鋭たちが、スカイツリーの施工に知恵を絞っている。東京本社技術本部企画推進室副部長の田村達一氏に聞いた。

「誰もやったことのないことをやるわけですから、体力はもちろん、頭も使わなければできません。しかも、作業は2年以上続くわけですから、体調管理は大変です。建設の作業をするタワークレーンのオペレーターは4人。彼らは誰よりも先に上にいないといけないので、早朝6時半にはエレベーターに乗り、7時から作業を開始。操縦室に入ると、午後5時の作業終了までそこに缶詰なんです」

 日中は閉じ込められた状態で仕事に臨むが、心配は無用。エアコンやトイレに加え、レンジや給水ポットなど生活に必要なものはひと通り揃っているという。

 現在、350m地点の第1展望台はすでに完成し、450m地点の第2展望台の建設にとりかかるというところ。上層の4つのクレーンのうち2つが地上から荷揚げする役目を担う。これは未知の高さへの特注仕様だ。

「これまで日本には300mを超えるビルがなかったため、通常のクレーンは使えませんでした。まず求められたのは揚程。標準仕様クレーンは揚程300mで第1展望台のある350mには到底及ばない。そこで420mの揚程にバージョンアップさせました。これにより、第1展望台の上からでも地上の荷物を引き上げることが可能になったんです」

 この2基が荷揚げし、残りの2基が上へ上へと建設していく。

 高所での作業に危険はつきもの。ところが、いま行われているような作業がてっぺんまで続くわけではないという。

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