雑誌
三本和彦の多事争論
最近起こった出来事に対して御大が喝を入れる!

 こんにちは三本和彦です。東日本大震災後、1ヵ月が過ぎ復興に向けて歩み出していますが、引き続き共に頑張っていきましょう。今回編集部から出たお題は「ここ半年以内に起こった出来事を重要な順番から並べ、喝を入れろ」です。相変わらず難題をふっかけてくるねえ。それでは、言いたいことを言わせていただきます!

東日本大震災で考えた。次世代 自動車はどれがいいのか?

震災後5日間にわたって地域によって計画停電があり、肩身の狭い思いをした電気自動車

 あらためて、東日本大震災で亡くなられた方にご冥福をお祈り申し上げるとともに、被災されたみなさまに心よりお見舞い申し上げます。

 東日本大震災の影響で、これまで考えられなかったクルマ社会の構造の問題点が浮かび上がってきました。震災直後にはガソリン不足に陥り、都内のガソリンスタンドでも長蛇の列ができ売り切れて閉店するガソリンスタンドを何度も見ました。

 また東京電力福島第1原発事故の影響で、計画停電を強いられ、解除された後も25%節電を心がけるようになり、これまで使い放題だった電気が原発ありきだったことを思い知らされたと同時に、次世代自動車はどうあるべきかを改めて考えさせられたような気がします。

 肩身が狭くなったのは電気自動車でしょう。ゼロエミッションはすばらしいことなのですが、節電の世の中、夜間充電するから大丈夫といっても、1回フル充電すると、航続距離が200kmに満たない現状のEVでは充電インフラなど、不安が募ります。今は大丈夫ですが、夏場には地域によって計画停電箇所が出てくるでしょう。そんな不安を感じて乗るのはどうかと思うよ。

 燃料電池車はホンダとトヨタが'15年の一般市販に向け開発中です。航続距離がガソリン車とほぼ同じ1回の水素フル充填で600km以上です。水素で発電してモーターを回すので、いわば自家発電ですよね。

 でも価格が高すぎます。トヨタは500万円以内、ホンダは1000万円を目標にしているようですが、これでは一般ユーザーは買うことができません。水素ステーションも現在15カ所、'15年には大都市を中心に100カ所設置する方針ですが、まだまだ少なすぎます。

今年11月に一般販売されるプリウスPHV。満充電でEV走行は23.4km、EVとHV走行燃費57.0km/ℓ

 そのほかガソリンエンジンとLPGが両方使えるバイフューエル車があります。60ℓ程度のガソリンタンクと60ℓ容量のLPGタンクを満タンにすれば、プリウスだと無給油で約2000km走れます。工賃込みで50万円程度で付けられますが、LPGスタンドが全国に1900カ所しかないことなどインフラ整備に課題があります。

 電気自動車は連続航続距離が300kmを超えて初めて広く一般に普及すると思っています。東名東京~名神まで各サービスエリアに充電器が設置され、インフラの整備が進んでいます。台数が増えていいでしょうが、やはり充電渋滞が起きそうで嫌だねえ。

 ボクが一番いいと思うのはプラグインハイブリッドです。短距離ではEV、長距離走る場合はガソリンを併用したハイブリッドとして使えば電気の心配も不要だからです。ネックはやはり価格ですが、EVや燃料電池車と比べてPHV(プラグインハイブリッド)のほうが安い。今年11月から一般向け販売がスタートするプリウスPHVの価格は270万円~(予想)です。

 またPHVから100Vの家庭用電源が取れるようにすれば最高です。エスティマハイブリッドには100V、最大1500Wの電力供給ができます。実際、震災時に役立ったそうですよ。豊田章男社長は「非常用の給電車として役目もある。今後このような電源搭載車を広げていくように開発部門に検討するように」と指示したそうです。

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