筆者が3年以上前から警鐘を鳴らしてきたにもかかわらず、放漫経営を脱却できなかった日本航空(JAL)は、1月19日、ついに1950年の国策会社「日本航空」の設立以来60年の歴史にピリオドを打つに至った。就航している内外30前後の国々で“同日法的整理”に踏み切るのだ。
政府と企業再生支援機構は再建を後押しする方針を打ち出しているが、実際には米政府がゼネラル・モーターズ(GM)で目指したような「プレパッケージ(事前調整)型の法的整理」の体裁が整っておらず、前途は予断を許さない。専門家の間では、(1)飛行機の差し押さえや引き揚げに伴う運航トラブル、(2)利用客のJAL離れや取引先の不信増大に伴う収支の悪化、(3)つなぎ融資資金の枯渇――など多くのリスクが懸念されている。
裁判所の更生決定を得られずにJALが清算に向かうと読む向きや、2次破たんを予測する向きも少なくない。これといった政策哲学・法的根拠もないまま、安易に経営に失敗した民間企業の再建に乗り出し、血税を危うくする民主党政権に対し、JALとの癒着や行政責任を追及する世論が高まるのは避けられそうもない。
「GM型の再建」を潰した前原大臣
関係者によると、政府と企業再生支援機構の意向を受けて、JALはまず、日本時間の19日朝、東京地裁に会社更生法の適用を申請する計画だ。そして、韓国、インドネシア、マレーシアなどの東アジア諸国、中近東、欧州、南北アメリカ諸国の順で、それぞれのビジネスアワーが到来するたびに、それぞれの国の法制に従った法的整理を進めていく方針という。
当初は、国内の経済活動がひと息つく日本時間の19日夜に更生法の適用申請を行い、国内での混乱を最小限に抑える選択肢も候補にあった。しかし、これでは逆に海外で混乱を助長しかねないとの判断が働き、こういう方式に落ち着いた。
ただ、それでも、19日に混乱を生じる恐れはある。というのは、たとえば中国やベトナムでは、企業の倒産法制が未整備であり、空港に駐機したJAL機が、いきなり取引先によって差し押さえを受けるリスクが皆無と言い切れない。
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