「権力の作法」を弁えない宰相
「個人の決意」を会見で語る菅直人首相が「首脳会談」で英会話ができなくて本当によかった

菅内閣支持率が10%台というのは、交通信号で言えば、黄色がともっているという〔PHOTO〕gettyimages

 7月14日に発表された時事通信社の世論調査によれば、菅内閣支持率は12.5%にまで下がっている。また、不支持率は71.2%に上昇している。支持率が10%台というのは、交通信号で言えば、黄色がともっているということである。

 前日の13日には、「脱・原発依存」を提唱する記者会見を開いた。しかし、原発を廃止したときに、どのような代替エネルギーで電力供給を確保するのか、さらには、どのようなスケジュールで「脱・原発依存」を進めるのか、全く何も示さなかった。

 そして、翌日になって、枝野官房長官は、「首相は遠い将来の希望を語った」と説明した。いったいこの内閣はどうなっているのか。首相の単なる願望を語るために記者会見を開くのか。

「個人の将来の希望」なら家族に話してください

 松本龍復興大臣が辞任したときには、会見を開かず、ぶら下がりにも応じないのに、自分の都合の良いときだけ、そして、「将来の希望を語る」ために記者を集めるというのは、常軌を逸している。記者団から、「首相の都合のいいときだけ記者会見するという現状の改善をお願いしたい」という批判的要望が出ている。

 しかも、15日午前の閣僚懇談会では、菅首相は、政府見解として公式に述べたということではなく、「(個人的見解として)決意を述べた」と語ったという。こうなると、もう無茶苦茶である。大統領であれ、首相であれ、一国のトップが公式会見を開くということの重みが、菅直人という人には分かっているのであろうか。公共の電波を使って、「個人の決意」を全国に中継することが許されると思っているのか。