コンピュータで徹底分析 日本人は楽観しすぎている!「福島第一の再爆発に備えよ」全米で最も著名な理論物理学者ミチオ・カク教授が明かす

2011年07月15日(金) 週刊現代

週刊現代経済の死角

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Photo:Sameer A.Khan

 東日本大震災以降は、CNNやABCなどの報道番組に精力的に出演し、福島第一の今後などについて解説を行っている。その明晰な語り口は人気が高く、いまアメリカで最も著名な理論物理学者である。

 カク教授は福島第一の現状をどう捉えているのか。ニューヨーク・セントラルパークの北にあるキャンパスの研究室を訪ねた。

---事故発生から4ヵ月近くが経過しました。当初のような大きな爆発が最近起きていませんが、福島第一はヤマを超えたのでしょうか。

カク とんでもない。私は福島第一を、静かに時を刻む「時限爆弾」だと考えています。時限爆弾は一見安定していますが、爆発させないためには信管を抜かなくてはならない。

 翻って福島第一は今、瀬戸際でぐらぐらしていて安定していない状態です。原子炉の水温は高いままで、来年にならないと冷温停止にはならないでしょう。

 しかも、ちょっとした余震に見舞われて、原子炉を冷却するためのパイプが破裂し、原子炉の圧力容器や格納容器、使用済み核燃料プールの破壊が進めば、事故処理はまた振り出しに戻る。現時点でさえ、作業員は原子炉建屋の一部にしか入れず、一回の作業時間もたった数分から数十分に限られ、そのわずかな時間で年間許容限度の放射線を浴びることもある。いつ状態が悪化してもおかしくない福島第一は時限爆弾なのです。

明日爆発してもおかしくない

---福島第一にとって「最悪のシナリオ」とは、どのようなものを想定していますか。

カク ご存知のように、炉心溶融が1~3号機の3つの原子炉で起こりました。計測器は、これまでの予想を大幅に上回る深刻な事実を記録していますが、最悪のシナリオには未だ至っていません。

 仮に巨大余震に襲われて敷地内のパイプやタンクが壊れたとしましょう。その時点で大量の高濃度汚染水が溢れ出し、放射能レベルは一気に上がる。作業員はプラントから全員避難せざるを得ない。そこから原発事故は悪化の一途をたどるのです。

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