雑誌
スーパーホットスポットを次々発見
放射能汚染に新事実、この数値を見よ!

全国1000ヵ所を独自調査 〈後編〉

●高濃度汚染地帯 流山・柏・松戸をさらに細かく調査
●意外な数値が!東京・文京区、目黒区、足立区の詳細
●観光地の厳しい数値 日光・ロマンチック街道、那須、軽井沢、世界遺産・平泉
●汚染隠しの疑惑ほか

「私の街は大丈夫でしょうか?」—本誌が独自調査を始めて以来、読者からの問い合わせが殺到している。思わぬ場所に潜むホットスポット。正確な情報を持つ以外に、私たちが対抗する術はない。

柏の葉公園の滑り台下

 岩手県平泉町---。

 6月25日に世界文化遺産の登録が決まったばかりの同町には、観光客がいま大挙押し寄せている。

 JR平泉駅を降りると、いたるところに「祝平泉世界遺産登録決定」の幟が見える。世界の観光名所に名を連ねたことで、地元は喜びに沸いている。

 しかし、地元民も観光客も知らない事実がある。

 平泉駅前ロータリーの街路樹の下で、本誌記者はガイガーカウンター(線量計)のスイッチを入れた。

 0.47、0.54、0.65・・・。

 約30秒ごとに更新される値は、いずれも0・4マイクロシーベルト/時(以下、単位はすべて同じ)を超えている。画面の背景が黄色く変わり、「HIGH」の文字が危険を知らせる。

 同町でもっとも有名な観光地は、言わずとしれた中尊寺金色堂だ。奥州藤原氏ゆかりの寺は国宝にも指定されている。記者が訪れた夕方5時は拝観終了の時刻にもかかわらず、たくさんの参拝客が駆け足で入っていく。

 金色堂前の植え込みを計測した。

 0.88---。

 住宅地なら、避難を考えたほうがよいレベルの線量だ。他の場所も高い。

・参道入り口  0.75
・釈迦堂前  0.45
・阿弥陀堂前  0.36
・能楽殿前  0.64
・本堂前  0.57
・参道駐車場  0.77

 ここまで調べれば、もう結論は出ている。

 新世界遺産・平泉は、放射能に汚染されているのである。

 この事実を駅前の商店主に知らせると、心底驚いた顔をした。

「ウソでしょう。だってここは福島(第一原発)から150km以上離れてるんだよ。ここより近い山形や米沢、仙台市内だって線量は高くないのに、平泉が高いなんてありえない」

 本誌とて、せっかくの世界遺産ブームに水を差すために来たわけではない。だが、世界に知られる観光地になったからこそ、汚染されている事実に目をつぶることもまた、できない。

 表を参照してほしいが、近くの栗駒山いわかがみ平で2.17、奥州市で1.35という驚くべき値が出ているからなおさらだ。

 本誌はこれまで2週にわたり、全国の放射線量を独自に計測してその数値を公開してきた。調査したスポットは1000ヵ所以上にのぼる。読者からは、

「私の住んでいる街も測ってほしい」

 と訴える電話が殺到し、人々の放射能への関心、いや恐怖がいかに強いかを改めて認識した。

 これまでの取材や識者の見解を踏まえて、放射線量は0・19がひとつの安全基準で、それ以上なら要注意、0.60を超えたら避難も検討したほうがよい、と本誌は提言している。

 前号では全国500ヵ所の実測データを掲載し、0.19はもちろん、0.60を超えるホットスポットを広いエリアで観測したことを報じた。

 実は全国には、まだまだ知られざるホットスポットがある。平泉のように、これまで報じられたこともないのに0.8を超えるような「スーパーホットスポット」も存在する。今号はそうした超高線量地点を中心に、引き続き独自調査の結果を報告していく。

 編集部にかかってくる電話でもっとも多いのが、柏市、流山市など千葉の高濃度汚染地帯に住む人々からの不安の声だ。東葛地区と呼ばれるこのエリアは、調査中に住民から声をかけられることが多い。

 今回の調査でも、柏市の新たなスーパーホットスポットが次々に見つかった。

 つくばエクスプレスの柏の葉キャンパス駅。東京大学や千葉大学のキャンパスが近い、新興住宅地兼文教地区だ。

 駅前ロータリーのアスファルト地上1mが0.51。地表面が0.75。十分に高いが、線量計が激しくアラーム音を発したのは、近くの側溝を計測した時だ。

 1.09、1.32と数値が上がっていき、最高で1.68、10回計測した平均値も1.47と、軽々と1を超えてしまった。画面には真っ赤な「DANGEROUS(危険)」の文字が躍る。

 駅には複合商業施設「ららぽーと柏の葉」が隣接しているが、そこで会った30代の主婦はこう話した。

「週刊現代に限らずいろんな雑誌で柏がホットスポットと書いてある。文教地区で公園もあり、子育てに最高の環境だと思ってマンションを購入したのに・・・。ここまで悪い意味で有名になったのだから、行政にしっかり対応してほしい」

 柏の葉公園の滑り台下から1.30、トイレ脇でも1.25と、あちこちに危険な場所が潜んでいる。「柏の子どもたちを放射能汚染から守る会」を始めとする住民が1万の署名を集め、6月28日には秋山浩保市長に早期対策を求める要望書を手渡した。これほど住民の不安が募っても、柏市はまだ動かない。

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