悪臭に悩まされる被災地で国会を開いたらどうか。
権力の執着する菅首相の居座りこそ、産業空洞化の原因だ

被災地では暑さとの戦いである〔PHOTO〕gettyimages

 各地で梅雨が明け、猛暑の夏がやってきた。大震災の発生した3月11日は、まだ寒く、防寒対策が欠かせなかった。あれから4ヵ月が経った。今や、被災地では暑さとの戦いである。感染症も怖いし、体調管理も難しくなってくる。瓦礫の処理も遅々として進まず、腐敗臭に悩まされる毎日である。

 テレビは、光景(視覚)と音(聴覚)は、人々に伝えることができるが、残念ながら臭い(臭覚)までは、伝達できない。人間にとって臭いがいかに重要であるかは、香水の発明を見てもよくわかる。

 母親を介護していたとき、各地の介護施設を訪ねたが、その施設を評価するときの私の基準の重要なひとつが、まさに臭いであった。建物が立派でも、中に入ったとたんに、尿の臭いのこもった、すえた不快な空気に触れる。それは、要介護者の下の処理が十分でないこと、失禁した後のシーツの取り替えが不十分なことなどの証左である。そんな所に、自分の肉親の介護を任せるわけにはいかない。

 権力の座にしがみつくことしか念頭にない菅首相に、この臭いの需要性がわかるであろうか。被災地に行って、30分でよいから、この腐敗臭の中にたたずんでみたらどうか。

 江戸時代の日本は、上水道が完備し、また糞尿も肥料として活用するなど、清潔なリサイクル社会であった。幕末に日本に来た外国人は、町の綺麗さ、不快な臭いの無さに驚いている。それでは、先進地域を自認する当時のヨーロッパはどうであったか。

 たとえば、イギリスである。議会のあるウェストミンスターはテームズ川の辺にある。イギリス人は、糞尿を窓から外に放り投げる。それがテームズ川に流れ込んでいく。当然、川はものすごい悪臭を放つ。暑いので窓を開けざるをえない議会は、あまりの臭さに閉会の余儀なきに到ったという。また、この不衛生さが、チフス等の感染症も流行らせた。

 日本の国会も被災地の悪臭の中で開くとよい。常識のある国会議員なら、今の政治の問題がすぐわかるはずである。しかし、自ら腐臭を放っていながら、自分だけは、その臭いが気にならない菅首相には、何の役にも立たないかもしれない。首相をとりまくお友達ですら、もはやその悪臭にたえかねて鼻をつまんでいるのである。

 私も、政治家として、この菅首相のような図太い神経を持たねばと反省する昨今である。幸い臭覚はすぐれているので、自分の臭いには敏感であることは、少しは誇りに思っている。

データをもっと早く公開していれば被爆しないで済んだ

 次に、原発事故の処理と今後のエネルギー政策である。これまた遅々として進まなかったり、菅首相の思いつき発言で振り回されたり、大変な迷惑である。放射能被害の問題も、まずは調査がきちんと行われていない。SPEEDIなどのデータがもっと早く公表されていれば、被曝しないで済んだ人も多くいた。まさに人災だ。

 これからの日本を背負っていく子供達を守らねばならない。そうしなければ、日本のみならず、日本民族が滅亡してしまう。先祖代々続けてきた日本、そして日本民族を、菅首相の権勢欲のために失わせてはならない。

 エネルギー政策も、思いつきの連続である。玄海原発の再開に経産相がゴーサインを出して、地元の町長まで再開を認めたのに、菅首相が、突然ストレステストを要件とすると言い出した。経産相の辞任示唆、地元町長の再開容認の撤回など、たいへんな混乱となってしまった。このままでは、来春にも、すべての原発がとまってしまう。

 猛暑になって、エアコンや扇風機が不可欠となり、電力のありがたさは皆、身にしみてわかっている。辛抱強い日本人は、せっせと節電に励んでいる。エアコンを抑えるために、扇風機を使う企業や家庭が増えている。そのため、どの電気店に行っても扇風機の棚は空っぽで、売り切れ状態である。

 政府がひどくても自力で頑張ろうとする日本人がいじましくすらある。外国なら暴動が起こっているであろう。日本人の礼儀正しさの上に胡座をかいている菅首相を許すわけにはいかない。

 企業にとって、電力の安定供給は命綱だ。その確保が困難であれば、企業は海外へ逃げていく。今や、中小企業も日本脱出を計りはじめた。産業の空洞化は進んでいく。そして、日本の国力は落ちていく。菅首相の居座りこそ、産業空洞化の原因である。一日も早い倒閣に全力をあげる決意である。

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