為替の基礎講座(2)
金利の動きで為替は読める

〔PHOTO〕gettyimages

 前回の為替の基礎講座(1)で、二通貨間の交換レートである為替は、金利の動きに引っ張られることが多いことを説明した。そうすると、金利の動きに注目すれば、外国為替市場の動向をある程度予測することが出来ることになる。ところが、実際の為替市場の動きは、常に金利要因だけで動いているわけではない。

 時には、通貨自体の信用力や、大手投資家の動きなどによって大きく変動することがある。そうしたケースについて、最近のユーロの実際の動きを使って分り易く説明する。

重要な通貨自身の信用力

 為替市場では、大手の機関投資家、特にヘッジファンドと呼ばれる投資家の動きが重要になることは既に説明した。ヘッジファンドのマネジャー連中は、ある年の1月1日から12月31日までにいくら稼いだかによって、その年のボーナスが決まる。ボーナスの額は、多くの場合、稼いだ金額から当人の給与など必要経費を差し引いた純利益の5%から10%程度で決められるといわれている。

 そのボーナスを楽しみにして、ファンドマネジャーたちは日々、過酷な業務を行っているのである。因みに、ヘッジファンドは、毎年、三ヵ月ごとに中間ラップを検証される=一種の決算を行うことが通常であるため、どうしても、6月や12月末が近づくと、有力ヘッジファンドから利益確定のポジションの巻戻しが出る。そのため、時として、この時期に金融市場が大きく変動することがある。

 話を元に戻すと、ヘッジファンドや大手機関投資家のマネジャー連中は、儲けることを唯一無二の目的としているため、多額の金額を思い切り動かして、相場を大きく揺さぶる可能性が高い。多額の取引を行うため、扱う為替には十分な流動性のあることが前提になる。ということは、主要通貨、つまり、ドルやユーロ、円、スイスフランなど、常に取引が活発になる通貨を狙うのである。

 また、通貨の信用力、つまり持っていても大丈夫という通貨しか扱わない。6月下旬まで、ユーロは、ギリシャのデフォルト問題が注目されたため、大手の機関投資家がユーロを嫌い、安全通貨であるスイスフランに乗り換える動きを示した。

 こうした機会こそ、ヘッジファンドの真骨頂なのである。大手機関投資家のユーロ売り・スイスフラン買いを大きな金額で仕掛けたのである。その結果、ユーロは他の通貨に対して弱含みの展開となる一方、スイスフランが大きく買い上げられることになった。

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