上半身デブと下半身デブ。危険なのはどちらのタイプ?


 "メタボリックシンドローム"を予防する目的で、「特定健康診査」の制度が導入されてから3年。「メタボな○○」といった表現は、今や子供ですら使いこなす。とはいえ、検査数値の知識は、「なんとなく知ってるつもり」や「「勘違い」による勘違い」が多いという。

【HBR会員誌2011年4.5月合併号「メタボで長生きできない、は本当か?」より】

 "メタボリックシンドローム"を予防する目的で、「特定健康診査」の制度が導入されてから3年。「メタボな○○」といった表現は、今や子供ですら使いこなす。とはいえ、検査数値の知識は、「なんとなく知ってるつもり」や「「勘違い」による勘違い」が多いという。さらに最新の医学データは常識を覆す。医学博士の池谷敏郎先生に、「メタボの真実」を伺った。

 身体のどの部位に脂肪が蓄積しているかによって、肥満のタイプは「上半身肥満」と「下半身肥満」に分けられる。上半身肥満は、お腹まわりを中心に脂肪をべったりつけたタイプで「リンゴ型肥満」とも呼ばれ、中年男性に多い。

 一方で下半身肥満は、臀部から下肢にかけての脂肪が蓄積するため、「洋なし型肥満」と呼ばれ、女性に多い。 

 どちらがより問題かといえば、上半身肥満。上半身デブの人は腹腔のなかに黄色い脂肪を大量にため込み、各臓器にも脂肪がべったり付着しているケースが多い。これが「内臓脂肪型肥満」の典型であるが、手足や顔はほっそりしていても、「意外にお腹は・・・」という隠れ肥満の人も「内臓脂肪型肥満」に含まれる。

 また、たとえ腹囲は基準値以下でも、本来であればCTスキャンでへそ付近の内臓脂肪の量を精査すれば、基準値以上のことだってある。

太っていると長生きできない、は真実か?!

 寿命と体格の関連性は、これまで指摘されなかったが、40歳時点の体格で太り気味、いわゆる「ちょい太」の人がもっとも長寿であることが、厚生労働省の研究班の大規模調査であきらかになった。

 宮城県内の40歳以上の住民5万人を対象に、12年間の調査を行い、肥満度の指標となるBMI値ごとに、40歳時点の平均余命を分析したのだ。 その結果、もっとも長生きだったのは、太り気味(BMI値25以上30未満)の人で、痩せている人(同18・5未満)と比べ、6~7歳も平均余命が長かった。

 驚くべきことに、この結果は、病気で痩せている人を除いて検討しても、変わらなかったのだ。とはいえ、同研究で医療費の負担額を調べたところ、太っているほど高くなり、痩せている人の1・3倍かかるという結果も。やはり体格は「普通」が一番よいようだ。

【取材協力者プロフィール】
医学博士
池谷敏郎先生
1988年東京医科大学卒業。同大第2内科入局。'95年池谷医院 内科・循環器科勤務。'97年医療法人社団池谷医院院長兼理事長に。テレビ番組にも数多く出演し、わかりやすい解説が好評。著書に『血管力』(成隆出版)『最新医学常識99』(祥伝社 黄金文庫)など多数。

取材・文/河西真紀
引用:HBR会員誌2011年4.5月合併号p51-52
 

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