牧野洋の「ジャーナリズムは死んだか」
2010年09月09日(木) 牧野 洋

調査報道NPOのウォッチドッグ創業者インタビュー「ジャーナリズムはビジネスになるのか」

「調査報道は公共サービス」「広告を出すスポンサーなんて皆無です」

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 調査報道は公共サービス(パブリックサービス)――。アメリカでは、調査報道を手掛けるジャーナリストは、国民に奉仕する公務員や政治家と同類と見なされることが多い。

 権力を監視するのは、納税者であり有権者でもある国民だ。しかし、監視するためには、権力が何をやっているのか知る必要がある。ここで活躍するのが、公開情報を徹底分析するなどで権力の動向を調べ、公表する調査報道だ。

 調査報道が利益にならない公共サービスならば、営利企業である新聞社にとって構造的に「お荷物」なのではないか? 調査報道の担い手は民間非営利団体(NPO)ではないのか?

調査報道が目指すのは「役立つ情報」ではない

 これまで2回にわたって、南カリフォルニア・サンディエゴに本拠を置き、調査報道に特化する民間非営利団体(NPO)「ウォッチドッグ・インスティテュート(WI)」を紹介してきた。地元ニュースを専門にしながらワシントン支局を開設したり、買収ファンドから資金援助を受けたりするなど、ユニークな存在だからだ。

 調査報道とNPOの将来について、創業者兼編集長のロリー・ハーンに聞いてみた。サンディエゴ州立大学(SDSU)ジャーナリズムスクール内のオフィスでインタビューに応じた彼女は、「調査報道で新聞社がもうけることは不可能。広告を取れないから」などと語った。インタビューの要旨は以下の通り。

――新興メディアの多くは自前の紙面を持たない代わりに、ウェブサイトを運営しています。一般には、ウェブサイトとしては収益安定化のために広告収入に頼らなければならず、広告収入を確保するにはページビューを増やさなければなりません。

ハーン ウェブサイトでもうけるためには、役立つ情報などを満載してページビューを増やすのが手っ取り早いです。でも、調査報道の目的は「役立つ情報を伝える」ではなく「公益に資する」です。

調査報道NPO「ウォッチドッグ・インスティテュート」創設者のロリー・ハーン。

 

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