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 同じ場所で営業しているのに、曜日や時間帯によって名前やコンセプトが変わる不思議なお店が東京にはいくつかある。

 例えば、環七沿いの世田谷区にあるラーメン店「せたが屋」はお昼の時間だけ、お店の名前が「ひるがお」に変わる。

 どちらもラーメンを出すが、ひるがおでは、塩ラーメン専門のお店になる。

「ひるがお」の塩ラーメンはランチタイム限定の味

  店名が変わるということにで話題性を出し、さらに塩ラーメンを食べられる時間がお昼の数時間に限定されることで稀少性が出る。

 これはマーケティング目的のカメレオン店である。

 また、銀座には、昼はカレー、夜はフレンチビストロという二毛作のお店が存在する。昼は「LE CURRY DE PAUL(ポールのカレー)」、夜は「Pont du Gard Express」と名前を変える。このカメレオン店の目的は、お昼の時間の有効活用と夜の時間の集客アップだと思われる。

 カレーという人気メニュをお昼に提供することで夜営業しているカジュアルなビストロを宣伝することができる。しかも、お昼の時間にもビジネスできて、一石二鳥。評判のカレーは、夜の営業にもプラスの効果をもたらしている。

こちらもお昼限定「LE CURRY DE PAUL」のスタミナごっつカレー

 さらに、恵比寿にある「鮨小野」は、日曜日だけ「鮨空」と名前を変える。ここでは日曜日になると店主の小野さんはお休みになり、2番手の米山さんが花板を務める体制で営業する。

 ちなみに空という名前は、小野さんが後輩に早く空高く羽ばたいて欲しいと思って名付けたという。このカメレオン店の目的は、お店の若手を成長させるため。かなり大胆な試みである。

 鮨空にお店の名前が変わっても握り手が変わるだけでネタの質は変わらない。メニュは8000円の"おまかせ"のみ。日曜日ということもあるが、鮨小野の時の半値程度の格安価格で美味しいお寿司が堪能できる。

 どうしても小野さんに握って欲しい、という人なら別だが、曜日さえ許せば、鮨空のリーズナブルなお寿司でも充分満足できる。いや「価値>価格」という観点ではこちらの方が良いかもしれない。

 このようにお店の名前を変えるカメレオン店には、お店側の様々な思惑がある。人材育成、時間帯に合ったメニュの提供、スキ間時間の有効活用、などお店の思惑を知った上で、うまく活用すれば物珍しさ以上の価値のある場所にすることができる。お店の戦略を考えれば、カメレオン店の賢い活用法が見えてくる。

<グルメの法則 23  
カメレオン店は、お店の思惑を知り、
「価値>価格」なら積極的に活用する
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