堀江貴文インタビュー vol.4「首相を目指さない政治家なんておかしい」

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田原 堀江さんはこれから何をやるんですか。

堀江 まずは宇宙開発です。

田原 宇宙開発は、どういう計画をもってらっしゃる?

堀江 最初はちっちゃな宇宙船というか、衛星を打ち上げるロケットをつくります。そして、それを大型化して人を打ち上げます。

田原 実験はいつ頃やるんですか。

堀江 実験はずっとやっているんですよ。

田原 え、もうロケットを飛ばしているの?

堀江 まだ飛ばしてはいません。ロケットの実験ってどういうプロセスでやるかというと、ロケットのキーデバイス、主幹部品というのはエンジンなんです。エンジンさえ出来ればどうにでもなると言っても過言ではない。逆にいえば、エンジンが難しい。それができないと無理なんですよ。

 なんでかっていうと、エンジンというのは(燃料として)高温の流体を扱うわけです。高温の流体というのは扱いが難しい。コンピュータシュミレーションも十分にできない。

 ガソリンエンジンだって職人さんが作っているわけですよ。それが一番いい。だから電気自動車が来ると、トヨタとか日産とかがダメになると思っているんです。

田原 モーターならどこでも作れるからね。

堀江 そう。だから従来の自動車メーカーはだんだんダメになっていくと思う。「自動車の製造にはいろんなノウハウがあるんだ」なんて言う人がいるけど、いまや中国のメーカーがどんどん電気自動車を作って世界を席捲しつつあります。

田原 第一、電気自動車になればエンジンがモーターになるだけじゃなく、部品が100分の1で作れるようになるんだものね。

堀江 そうそう。だからドライブシャフトもギアボックスもディファレンシャルもいらないわけです。インホイールモーターとバッテリーさえあれば出来るわけですから。要は誰だって出来るようになる。

 かつてIBMのオフコンがパソコンになっちゃうのと同じ事がたぶん起こるんですよ。「そんなわけはない」と言う人がたまにいますけど、そんなことこそ机上の空論で、現実はそうなりつつあります。

 話はそれましたけれど、だからロケットエンジンもガソリンエンジンと同様にコンピュータだけではできないんですよ。

田原 そうですか。

堀江 高温の流体を扱うエンジンというのは、燃料を爆発させている。しかもロケットエンジンではスロートという部分で、高温高圧のガスを水道の蛇口を締めるようにキュッと絞らないといけないんです。そこなんかもう4000度とかになっちゃう。どんな金属も溶けちゃうんです。

 そういうものを扱う技術なんですよ。とにかく実験、実験、実験、実験で作らなきゃいけないんです。

「安くつくる」という仕事は国にはできない

田原 だけど、現にNASAが飛ばしているわけだし、日本だって飛ばしてるわけですよね。それを真似ればいいじゃないですか。

堀江 僕はね、ロケットで宇宙に人を飛ばすことを初めてやりたいわけじゃないんです。だってすでに500人も飛んでいるわけだから。

 そうではなくて、それを身近にしたいんです。

田原 もっと安く上げたいんだ。

堀江 そう、安くやらなきゃいけないんです。

田原 いまは1人30億円?

堀江 もう50億円になりました。スペースシャトルが終わったので、コストは高くなりました。

 いうまでもなくロケットというのは、いまロケットで宇宙に行く技術がないわけではありません。値段が高いから行けないんです。値段が高すぎるから宇宙に行けないのであって、100分の1とか1000分の1にしなきゃいけないんです。そのためには安くすることを考えないといけない。

田原 つまり何百万円にするんだ。

堀江 そう。で、それは国の開発では出来ないんですよ。国って安いモノはつくれないんです。

 蓮舫さんが「二位じゃだめなんですか」って言っていたけれど、国の予算を取るためには世界一のものを作んなきゃいけないんですよ。でも、世界一のものは当然一点モノだから高い。初めてのことをやらなきゃいけないから、試行錯誤に時間がかかる。時間もカネもかかるんですよ。

 でも僕らは安く行きたいだけだから、まったく技術的なアプローチが違うんですよ。だから国にはできないんです。民間にしかできないんです。だから僕らがやっている。

田原 初めてのものを開発するのは国ができるけれど、それを安くするというのは国はできないと。

堀江 そう。ロケットエンジン以外は全部コンピュータシミュレーションである程度できるんです。

 最近のロケットの開発っていうのは、地上でエンジンの燃焼試験を頻繁にやるんです。宇宙空間で点火するロケットなんかは、真空チャンバー(内部を真空状態にする容器)を作って真空の中で実験したりしたりする。

 地上の実験設備で、とにかくロケットエンジンの実験を繰り返した後、いきなり打ち上げちゃうんですよ。コンピュータでシミュレーションして、いきなり打ち上げちゃう。それが、最近の宇宙開発のトレンドなんです。

 だから打ち上げ実験はまだ全然先なんです。

田原 どのぐらい先を考えていらっしゃる?

堀江 できるだけ早く。

田原 10年とか?

堀江 いやいや、もっと早く。今年できるのなら今年やりたいです。

田原 え、そんなに近く!

堀江 実験が上手くいったらですよ。実験は何回も失敗するので(笑)。

田原 堀江さん、カネはないとおっしゃっていたけど、開発費はどうしているんですか。

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堀江 そんなにおカネはかからないですよ。安く作ろうとしているから。おカネがかかっちゃダメなんです。

田原 そんなこといったってかかるでしょう。何人も関わっているわけでしょう。

堀江 いやいや。だからそれは知恵を絞るんです。知恵を絞ればそんなにかからないんです。だって人数がいればいいというわけじゃないんですから。

 カネや人数をかけるよりも、部品を安く調達したり、例えばネジとかの部品はそのへんのホームセンターで買ってきたりしているわけなんです。そうじゃないとダメなんです。

 普通の町工場で加工できるくらいの、加工精度が低いようなもの、旋盤で簡単に削れるくらいのものじゃないとダメなんです。マシニングセンターでしか削れません、なんていうものだと加工費がかかってしまう。

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