経済の死角

地デジのデタラメ 第1回

テレビを買い換えても映らない! 続々と生まれる
「難視聴」──あなたの家は大丈夫か

2010年09月04日(土) FRIDAY
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砂嵐の上の脅迫めいた文言(上)。これはNHKと民放が7月4日に放送した「全国一斉地デジ化テスト」の画面の一部だ。地デジ移行まで1年を切ったが、難視聴など問題は山積。このままでは、この画面が現実になる人が続出する。

[取材・文:亀井洋志(ジャーナリスト)] 

 東京・荒川区の市民グループが運営する生活相談窓口を訪ねた。酷暑のさなか、高齢者や生活に困窮する人々が途切れることなく出入りする。話題は暮らしや健康問題などが中心だが、最近では地デジに関する相談も増えてきているという。

 この日、相談に来ていた75歳の老婦人は、小さなアパートに独り暮らし。今年の春、家主が地デジ対応のアンテナを立ててくれたが、室内工事にかかる負担に躊躇している。

「電気屋さんに聞いたら、6000円ぐらいかかるという。私の年収は年金などで80万円足らずです。月々3万2000円の家賃を払っており、やはり出費は痛い。都営住宅に当たれば工事費は節約できるけど、もう5年待ちの状態です」

 それでもアンテナを立ててくれればいいほうで、賃貸住宅では家主が出費を嫌ってアンテナを設置してくれず、個別に対応しようとしても許可してくれないこともある。こうした住民の声に接している「荒川生活と健康を守る会」の角光男会長が語る。

「一日じゅうテレビをつけていることで、孤独感を紛らわせている独居老人は少なくありません。生活保護受給者でも食費を切り詰めて薄型テレビを買った人もいる。テレビは高齢者や貧困層にこそ、必要なものなのです」

 地上デジタル放送の完全移行まで、残り1年を切った。同時に、アナログ放送が全面的に終了する。現在、テレビ画面の上下に黒い帯(レターボックス)ができて「アナログ」という文字が表示されたまま視聴している人は、来年7月24日以降、テレビが見られなくなる。現時点で約1100万世帯が未対応で、結果、「数百万世帯が地デジ化に間に合わない」との予測さえある。

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