激烈! 菅 vs.小沢「最終戦争」の勝者
9・14代表選へ-

 新人議員の醜い奪い合い、まさに泥仕合!

 "独裁者"は裏切り者を「粛清リスト」に。

 他方、小沢幹事長時代のカネの流れを示す「出納帳」が流出!

 ホテルニューオータニ(東京・千代田区)内にある「カトーズ ダイニング&バー」の個室は、聞かれたくない話をするのに適している。渦中の人々は、8月24日夜、そこで約2時間を過ごしていた。密談の中心にいた二人は店を出ると、車で素早くその場を去ったが、残された平野博文前官房長官(61)は、本誌をはじめ待ち構えていたメディアに語った。

「今まで話していたが、『出る』と明確な返答はしていない。だが、一両日中に小沢さんが状況を考えて、もう一度、鳩山さんと会って腹を伝えるという雰囲気で、今日のところは終わった」

 鳩山由紀夫前首相(63)に「腹を伝える」のは、小沢一郎前幹事長(68)だ。二人が極秘対談した理由は言うまでもない。民主党代表選挙(9月14日)が、9月1日に告示日を迎える。目下、永田町最大の関心事は、小沢氏が出馬して菅首相の再選を阻止するか否かの一点に尽きる。

 冒頭の密談は、鳩山グループが「菅首相支持」でまとまったことの通告で、「小沢氏の背中を押す主旨ではなかった」(鳩山氏側近)。だが、すでに代表選は、「菅vs.小沢戦争」として動き始めている。

1回生に責められる首相

 菅首相の危機感を最初に煽ったのは、8月19日に軽井沢に約160人を集めて行われた小沢・鳩山両グループの合同勉強会であろう。前日まで出欠の意思を明らかにせず、結局は顔を出すのに会場に遅れて到着してヤキモキさせるツンデレっぷりは、いつも通りの小沢氏の行動だが、ここ最近で非常に機嫌良く振る舞ったのも事実だ。握手で迎えた平野氏が、

「来てくれると思っていましたよ。小沢さんと鳩山さんは以心伝心だから」

 と語りかければ、小沢氏は冒頭の写真の通り、周囲を驚かせるほど哄笑した。

「あんた、俺を試していたのか。ガハハ」

 代表選に向け、万全の「数」をそろえたい小沢軍団の皮算用を、鳩山政権時代の官房長官が呑んだかにみえる瞬間だった。また小沢氏は、こんな発言もした。

「国の危機的状況には困ったもんだ」

 国=菅政権と受け取れる小沢流の揶揄に、「出馬はあり得る」と確信を深めた議員も少なくなかった。事実、野外でバーベキューとビールというシチュエーションに舌も滑らかになり、本誌の直撃に鳩山氏と近い松野頼久前官房副長官は「小沢さんにぜひ出馬してもらいたい」と答え、自身の出馬が取り沙汰された海江田万里氏も「小沢さんが出馬するのなら、それがいい」と語った。

 ただ、石井一党選対委員長は「今日の鳩山さんの話は挙党一致しようということ。菅さんを替えようとすることこそ、実に下らない」と、酔眼で力強く吐き捨てた。

 それでもバトルは過熱していく。8月22~25日の日程で、小沢氏は政治を志向する若者たち向けのセミナー「小沢一郎政治塾」をスタートさせた。ここには1回生議員が参加している。すると菅首相は、8月23~25日の日程で、衆院議員会館の自室に1回生を招いて懇談会を開いた。新人議員の醜い奪い合いである。

「3年後に参院の任期が来るから、その時に衆参ダブル選挙でいいじゃないか」

 3年はやらせてもらって、それから交代という菅首相の主張は、若い世代に届いたとは言い難い。ドアの前で聞き耳を立てていた政治部の記者は、愉快そうに本誌カメラマンに言ったものだ。

「いやはや、首相が責められっぱなしだよ。ある議員が『問責決議案を出されるのは時間の問題ですよ。3年後に解散・総選挙なんて見込みが甘すぎる』って食ってかかってさぁ。他の1年生議員が助け船を出していたくらいだよ」

 菅vs.小沢の水面下での応酬は、より陰湿なものと成り果てた。ある小沢氏に近い議員が明かす。

「小沢先生が代表になったら、という仮定の下、すでに『粛清リスト』を作成している小沢氏の側近もいます。菅・小沢のどちらがトップに立とうが、党の運営は難しいものになる。党を割ることを念頭に、小沢グループの敵を明確にしておく必要があると覚悟している証拠です」

 本誌が確認したかぎり、リストには次の6人の名前があった< ( )内は、各氏の名前があったことへの感想・反応 >。

 < 仙谷由人官房長官(事務所が「いろいろな見方をされるのは当然」)/前原誠司国土交通相(回答なし)/岡田克也外相(事務所が「異論も反論もない」)/蓮舫行政刷新担当相(事務所が「リストを見ていないので答えられない」)/渡辺周総務副大臣(事務所が「渡辺本人と連絡がつかない」)/小宮山洋子党財務委員長(事務所が「異論も反論もない」) >

 小沢グループの議員に聞けば、それぞれに許せない理由があるという。仙谷氏については「先に小沢グループ排除を仕掛けてきたのは仙谷のほう」。また、岡田氏は政治資金規正法違反事件で検察審査会の議決を待つ小沢氏について「推定無罪は法律の問題。

 政治倫理の問題でどうなのか、次元の違う話だ」と、小沢氏の出馬に否定的な発言をしている。要は、小沢氏に盾突けば"恨み帳"に記入するという、"独裁者"が飼い慣らした子分たちが、いかにも考えそうなリストなのだ。

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