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総力調査 ニュースな企業25社「夏のボーナス」明暗!

 補償問題で先の見えない東京電力、顧客情報流出のソニー、システム障害のみずほ銀行、工場被災の日産やキリンビール・・・注目企業の賞与額を徹底取材

 7月に入って、各企業の夏のボーナスがほぼ出揃った。サラリーマンにとっては、毎年、悲喜こもごものドラマが繰り広げられるシーズンだが、今年上期は、東日本大震災、福島第一原発事故が日本経済を直撃した。果たしてボーナスの動向はどうなのか。本誌は、震災の影響を大きく受けた企業、そして不祥事などでニュースを賑わせた企業を中心に25社を徹底調査した。下の表は、各社へのアンケートや社員への聞き取り取材、各種数値をもとにまとめたものだ。主な企業を見ていこう。

※印は本誌推定。メガバンクの最終利益は各FGの連結。キリンの最終利益はHDの連結。決算期は今年3月(ビール2社は昨年12月)

東電の豪華〝裏ボーナス〟

 世界的な〝公害企業〟となった東京電力は、当然のことながら大幅カットされ、組合員平均は40万1000円。前年の半分以下となった。1兆円を超す特別損失を計上し、今年3月期の最終損益が1兆2473億円の赤字。今後の補償がどれだけ膨らむのか予測もつかない状況だけに、会長、社長らの年間報酬50%削減をはじめ、管理職25%、一般従業員20%カットと、厳しいリストラが続く。50代前半の同社管理職が嘆く。

「昨年のボーナスは年間で約500万円でしたが、今年は60%カットとなるので、夏のボーナスは100万円前後でしょう。管理職クラスの年収は、昨年で約1400万円あったんですが、7月1日からは、給与も20%カットされます。年収はざっと、900万円ぐらいになるんじゃないか。あってはならない事故が起きてしまったのだから・・・とは思いますが、この3ヵ月で人生は本当に変わりました」

 それでも年収が1000万円に近いのだから、不満を言えた義理ではないだろう。別の社員は、東電の知られざる〝裏ボーナス〟の存在を明かす。

「3月17日に制度が廃止されてしまったんですが、震災前のウチの待遇はすごかったですよ。資格を取れば奨励金が出たんです。例えば、気象予報士の資格を取ると50万円、ボイラー技士なら5万円といった具合です。社内のコストダウン、安全確保のシステム構築を達成させたグループ(部署)に、100万円の奨励金が出たこともあった。ちょっとしたことで、気前よくおカネが出ていました」

 入社6年目の男性社員(20代)は、

「彼女が、僕が福島に応援に行かされるのを心配して、転職を勧めるんです」

 と悩む。他の電力会社を見ると、浜岡原発を停止した中部電力が0.5%減の86万6000円、女川原発が被害を受けた東北電力が1.6%減の82万4000円、15%節電を呼びかけた関西電力も昨年と同額の86万1000円。各社とも来期は、増発させた火力発電の燃料費などコスト増による減益が見込まれている。

 金融界で東電級の大事故を起こしたのは、みずほ銀行だった。みずほは震災直後に大規模なシステム障害を起こし、世間の給料支払い日とも重なって大混乱。その後、完全復旧までに1ヵ月以上かかるという大失態を犯した。結果、西堀利頭取らが引責辞任、7月からの3ヵ月、役員報酬のカットを実施する。が、行員らのボーナス自体は、増減なしの約90万円と安泰だ。それでも、みずほの行員(30代)は不安を隠さない。

「ウチの東電に対する融資残高は6880億円もある。万が一、債権放棄せざるを得ない状況にでもなったら、一気に赤字転落してしまうかもしれません。そうなれば、ボーナスどころではなくなる」

 東電への巨額の融資を抱えるのは他行も同じだ。三菱東京UFJ銀行の幹部(40代)もこう言う。

「ウチの銀行の融資残高は4540億円ですが、三菱UFJ信託の融資残高も2378億円あるので、両方で6918億円になります。今期の最終利益を6000億円と見込んでいますが、債権放棄となれば利益のすべてが吹っ飛んでしまう」

 各行とも、東電への融資という〝時限爆弾〟を抱えて戦々恐々なのだ。

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