スポーツ

春夏連覇! 興南 島袋洋奨 「783球に込めた沖縄の熱」

体重は5㎏落ち、左腕がつりながらも、
エースは酷暑のマウンドで投げ続けた

2010年09月05日(日) FRIDAY
friday
 興南のエース左腕、島袋洋奨投手。決勝は強打の東海大相模(神奈川)を9安打1失点に抑える力投を見せた 〔PHOTO〕霜越春樹

 興南旋風の"中心"でうねり続けた。"琉球トルネード"の異名を持つ彼はいつでも淡々と語る。台風の"目"にいるかのように―。

 8月22日、歓喜の瞬間からおよそ24時間が経過した関西国際空港。深紅の大優勝旗を手にし、沖縄へ凱旋する興南高校・島袋洋奨(ようすけ)投手の頬は、甲子園での熱投を物語るように痩けていた。

「68㎏の体重で甲子園に入りましたけど、決勝の前の日の夜に測ったら63㎏まで落ちていた。今はもうちょっと減っているかもしれません・・・」

 史上6校目の春夏連覇を成し遂げた興南ナインだが、島袋はセンバツ初優勝からの5ヵ月を「長かった」と振り返る。

 3月以降、街を歩けばファンに囲まれ、練習後、学校のある那覇市から自宅のある宜野湾市までのバスの中でも気の休まる暇がない。夏の出場を決め甲子園入りすれば、大勢の報道陣に囲まれ、衆人環視の的となる。もしかしたら、マウンド上だけが自分の時間を満喫できる場所だったのかもしれない。

 東海大相模(神奈川)に勝利した直後のことだ。「常に相手を敬いなさい」と、試合中のガッツポーズを許さず、練習でも私生活でも厳しい態度で接する我喜屋(がきや)優監督から、島袋は労いの言葉をかけられたという。

「おつかれさん」―。

 マウンド上での冷静沈着な姿勢と同様に、自分を律するように控えめな言葉を選ぶ島袋が、初めて相好を崩した。

1
nextpage


Special Feature
最新号のご紹介

スポーツプレミア アクセスランキング

  • 昨日
  • 直近1時間