間違いだらけの「家庭の医学」

時代は変わった。あなたの常識は現代医学の非常識

(週刊現代)

ずっと信じて疑うことのなかったあなたの常識が、病状を悪化させることもある。だからこそ、あなたと家族を守るためにも知っておいたほうがいい、新知識とは。

 ずっと信じて疑うことのなかったあなたの常識が、病状を悪化させることもある。だからこそ、あなたと家族を守るためにも知っておいたほうがいい、新知識とは。

「おでこに氷嚢」も効果なし

 夏風邪を引いて、40度近い高熱が出てしまった。とはいえ、明日は大事な打ち合わせがあるので会社は休めない。そんな時、とりあえずお風呂に入るのは控える。そして、重ね着をして何枚も布団をかけ、汗をびっしょりかけば、熱なんてすぐ下がる―。

 こう信じ込んで、グショグショになった下着の不快感に耐えながら「発汗療法」を実践する人も多いのではないだろうか。

 しかし、時代は変わった。医学の進歩により、これまであなたが常識だと思ってきた「家庭の医学」が、実は間違っていたことが明らかになりつつあるのだ。

 まずは、猛暑が続く中、風邪を引いたり熱中症にかかったりした時、どう対処するのが「正解」なのか、答え合わせをしよう。

Q1/体を温かくして汗をかけば、熱は下がる?

 近年、夫婦間や家族間で論争を巻き起こしているのが、この疑問だろう。世代や生まれ育った家庭によって見解が異なるからだ。

 結論から言うと、これは正しい対処法ではない。それどころか、むしろ体調を悪化させる可能性すらあるとして、「大きな間違いだ」と指摘するのは、医学博士で『ねぎを首に巻くと風邪が治るか?』の著書・森田豊氏である。

テレビ番組などでも活躍中の森田医師

「私も子どもの頃、医師である父親から『汗をかいた分だけ熱は下がるから、布団に入ってできるだけ汗をかけ!』と言われて育ちました。

 たしかに、熱が上がり切る前は悪寒がしますので、この段階においては悪寒が和らぐ程度に温かくするのはかまいません。しかし、汗をかくほどまでする必要はないのです」

 なぜなら、無理やり厚着をして重い布団をかけると、汗が蒸発せずに熱がこもってしまう。結果、暑苦しくなって体力を消耗し、逆に体を衰弱させるからだ。

「しかも、汗を大量にかくと体内の水分が急速に失われますので、脱水症になりかねません」(森田医師)

 昔から発熱対策といえば、おでこの上に冷たいタオルや氷嚢を置くのが定番だが、それも実は熱を下げる効果は見込めない。

「おでこよりも、皮膚の浅いところを走っている動脈を冷やしたほうが効果的です。たとえば首筋やわきの下、ももの付け根に、布でくるんだ氷水入りのペットボトルなどをあてたほうがいいでしょう」(循環器専門医で『知って得! 正しい医学知識』の著者・池谷敏郎氏)

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