菅・小沢対決の最中に囁かれる「民主党政治資金」スキャンダル
数あわせでは勝負は決まっているが

 8月26日、民主党の小沢一郎前幹事長が9月1日告示・14日実施の党代表選出馬の意向を明らかにした。土壇場で鳩山由紀夫前首相の支持を得ての決断だった。

 しかし鳩山氏の支持理由に得心がいかないとする党関係者が少なくない。何より鳩山氏はなぜ、これまでの「菅再選支持」を覆して、突如、「小沢支持」に豹変したのかに関心が集まっている。

 党内勢力図を見れば一目瞭然だが、党内最大グループの小沢グループは150人の衆参院議員を擁し、鳩山グループ60人、そして羽田(孜元首相)グループ10人がすでに小沢氏支持を明らかにしている。

 世を問わず「勝ち馬に乗る」というのが権力闘争の"常識"であり、このままの展開となれば、旧民社党系30人の過半と旧社会党系30人の一部が雪崩を打って小沢氏支持に回る可能性が高くなってきた。数合わせからすると、まさに"勝負あった"である。

 しかし、政界では「一寸先は闇」。これからが権力闘争の本番となる。

 事実、永田町ではこんな話が騒ぎになっている。週明けの8月30日に発売する『週刊現代』が、民主党の政治資金使途に関して「不明瞭な巨額なカネ」が支出されていた事実をスクープしているというのだ。

 今回の小沢氏出馬決断に至る過程でテレビに露出し、先頭に立って旗を振り続けた、最側近を自任する山岡賢次前国対委員長が、小沢氏が代表だった2007年の1年間に、財務委員長として約16億円もの巨額な「対策費」を引き出していたというのである。

 同年夏には参院選挙が実施され、小沢代表率いる民主党が安倍晋三首相下の自民党に圧勝した。しかし、それについては選挙対策費として別途に約12億円計上されている。では、「対策費」とは、いったい何なのか。

 いずれにしても問題なのは、6月2日の民主党両院議員総会で鳩山首相(当時)が突然の辞意表明をした際に小沢幹事長(同)にも身を引いて頂きたいとしたうえで、クリーンな民主党の原点回帰を訴えたことである。

「鳩山副総理・外相説」も

 この鳩山・小沢のダブル辞任が僅かではあったが民主党のV字回復を実現したのである。それは両氏がまさに「政治とカネ」の問題を抱えていたからだ。その張本人が3ヵ月余りで再び表舞台に踊り出ようとしているのである。

 鳩山氏が急転直下、「菅再選支持」から「小沢支持」に転じた理由のひとつとして、前回このコラム(「『首相外交特別顧問』にも浮上 対中国外交のキーマンにもなった鳩山前首相の復権」)で紹介した「鳩山副総理・外相」案の存在が囁かれている。小沢氏は自分が代表・総理に選出されれば、鳩山氏を同ポストに起用することを確約、支持を取り付けたという見方である。

 9月末の国連総会(ニューヨーク)で首相に代わって外相が出席・演説する、そして10月上旬の東アジアサミット(ハノイ)、11月上旬のG20金融サミット(ソウル)など目白押しの首相外遊の日程すべてを鳩山氏に委ねるというものだ。

 これが鳩山氏の心変わりの理由であるとは思いたくないが、それほど予想外の小沢氏支持表明だったことだけは事実である。

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