巨大SNSフェイスブックは世界3位の"超大国"である

エコノミスト(UK)

2010年09月03日(金)

いまや、ユーザー数が5億人を超えた「フェイスブック」。
その影響力を懸念して、「ルールが必要」との声が上がっている。

 英国の首相に就任したデイビッド・キャメロン。彼が国民を導くための助言を求めた相手は他国の指導者ではなく、世界最大のSNS「フェイスブック」のマーク・ザッカーバーグCEOだった。

 7月の上旬にビデオ・チャットを通じて行われた二人の意見交換は、さながら首脳会談のようだった。もちろん、フェイスブックは領土を持たなければ、遵守すべき法制度もない。厳密に言えば、フェイスブックは株主以外に対して責任を負うこともない。だが、フェイスブックを"国"になぞらえる人がいるのも事実だ。

 実際、5億人のユーザーを抱えるフェイスブックは人口だけを比べるといまや、世界で3番目の規模を誇る"超大国"なのだ。米テンプル大のデイビッド・ポスト教授は「人々が自らの責任のもと、自由に行動できる点は国家と同じ」と指摘している。人々が、SNSのコミュニティを通じて連帯意識を持つようになる点も国家に通ずるという。

 そんなフェイスブックが、"自国の通貨"を発行して議論を巻き起こしている。今年の初め、アプリケーションの利用に際して、「フェイスブック・クレジット」と呼ばれる仮想通貨を導入した。だが、フェイスブックがすべての取引において決済額の30%を手数料として取る事実が判明し、アプリの開発者が反発する事態へと発展している。

 これほど大規模なコミュニティは、国家のように"統治"される必要があるかもしれない。もっともフェイスブックは、彼らなりのやりかたで民主主義を行おうとしている。

 たとえば、フェイスブックは政府が国民投票で民意を問うのと同じように、ユーザーの意見に耳を傾けようと努めている。利用サービスの条件を変更する際はユーザー向けの投票を実施しているほか、オンライン・フォーラムを通じて、将来の企業方針に関する意見を募ったりしているのだ。

 いずれ、フェイスブックにも厳格な法規制が必要になるときがくるだろう。過去の例を見ても、それを怠ったネットワークは高い代償を払っている。かつてSNS最大手だったマイスペースもウェブサイトを野放しにした結果、ユーザー離れを起こしている。"自由"と"放置"のあいだには、細かろうとも確かな線引きが必要なのだ。



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