株価だけを見ると絶好調に見える。国際社会から孤立した
イスラム国家に、マネーが集まるのはなぜなのか?
8月に入って、テヘラン証券取引所の代表的な株価指数Tedpixが1万6000リアルの大台を突破し、史上最高値を更新した。現在、核開発疑惑で揺れるイランは、米国が経済制裁を強め、経済的には苦境に立たされているはず。それなのに、なぜ株価は右肩上がりを続けているのか?
イランでは2003~04年にも、株式市場でブームが起きた。当時は、政府の規制緩和を受けて欧米の石油メジャーが流れ込み、金融機関が事業を拡大。だが05年にアフマディネジャドが大統領に就任し、自由化路線の針を巻き戻すと、株価も低迷した。
テヘラン証券市場では連日、大商いが続く。フロントライン(イラン)より今回の株式市場のブームは、当時とは様相が異なる。まず、株価全体を押し上げているのが民間企業ではなく、政府系企業、または政府と強い関係にある企業であるという点。こうした企業は豊富なオイルマネーに支えられ、強いキャッシュフローと財務体質を誇る。
また08年のピークにはほど遠いとはいえ、原油価格が再び値上がりしている影響も大きい。その一方で、新たに得られた収益を投資する先が少ないため、株式市場にお金が流れ込みやすいという側面がある。
政治的には、昨年の大統領選のあとの混乱が沈静化しつつあることもプラスの要因となっている。投資銀行ターコイズ・パートナーズは、イランを「世界で最も過小評価されている新興市場だ」と分析する。
経済制裁にしても、一概にマイナスの影響ばかりではない。制裁を受けることで、国内の投資家たちが海外投資をためらい、逆に国内に資金が還流している面もある。
とはいえ、経済制裁で市民の生活が苦しくなれば、批判の矛先は政府に向けられる。再び政情不安が起これば、株式市場のバブルもいっきに崩壊しかねないという危うさもあるのだ。
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