デフレ日本経済正しい考え方
全国民必読!この「坂の上の曇り」が晴れる日は来るのか
デフレスパイラルの恐怖の淵に立ち、かつての栄光で慰撫されているこの時代。言うなれば、「坂の上で見ている曇り空」。これから晴れるのか、それとも土砂降りに変わるのか。分岐点はまさに今である。

ヒトの「値下げ」を止めよ

 鳩山政権は、年の瀬に、「輝きのある日本へ」と題する新成長戦略の基本方針を発表した。環境、健康、観光などの分野で100兆円超の需要を創出し、2020年度までの平均で名目3%、実質2%を上回る成長を成し遂げるという“大風呂敷”を広げてみせた。

 「しかし、これは、現在の『新型デフレ』をまったく理解していない発想です」

 こう言うのは、同志社大学の浜矩子(のりこ)教授だ。浜氏は最新刊『2010年日本経済「二番底」不況へ突入する!』の中でも、「大型倒産・大量失業はこれから本格化する」など警鐘を鳴らしている。

 「現在のデフレ経済下では、企業が賃金というヒトの値段を切り詰めることで、低価格を実現している。そのため、たとえ成長しても、成果がヒトに分配されないのです。いざなぎ景気超えと言われた'02年春から6年間の拡大期でも、成長の恩恵を感じた人はごく限られた少数の勝ち組だけで、格差が広がった。いま再び成長を目指しても、同じ道を進むことにしかならない。それよりヒトの値段が下がるのを止めなければいけないのです」

 日本を襲うデフレスパイラルの大波は年が新しくなっても、とどまりそうにない。野家が『すき家』に対抗して、値下げを決めるなど、出血どころか、企業生命をかけた価格戦争が始まっている。2010年はこうした価格(激安)戦争で倒れる企業が続出することが予想されている。

 「この戦争がもたらすものは最終的には異様な淘汰による一社独占状態です。その一社が価格決定権を握ります」(全国紙経済部デスク)

 縮小均衡―いま日本が直面しているのは破滅的なそれである。経済が縮小すれば、給料が下がるだけでなく、年金などの福祉もやせ細る。国が分配するカネ(税収)が減るのだから、当たり前である。

 「日本がアルゼンチン化する」

 希望を失った市場関係者の間では、そんな科白が聞かれるようになっている。

 アルゼンチンは'90年代前半、世界有数の成長国であった。しかし、経済発展が進むにつれ、貧富の「格差」が拡大。そこへきて国民が選んだ「福祉重視」を標榜する政権は、大量の赤字国債を発行した。4年間で国家財政は急激に悪化し、やがてデフォルト(債務不履行)に陥った。