まさかの同数得票の結果、くじ引きによって決着した自民党の参院議員会長選(8月11日)。「脱派閥」を掲げた中曽根弘文元外相が本命の谷川秀善参院幹事長を破ったウラには、あの「バカ息子」の事件が関係していた。森喜朗元首相の長男・祐喜石川県議が起こした飲酒運転逮捕である(逮捕後、議員を辞職)。
森元首相は自らがオーナーである清和会、かつてのドン・青木幹雄氏の影響下にある平成研(旧経世会)、さらには古賀派の派閥連合によって参院をコントロールしようと目論んでいた。実際、投票権のある参院議員、中でも当選して間もない新人議員たちに、
「わかってるだろうな」
と脅しまがいの電話をかけまくっていたという。
そんな最中の8月7日、祐喜前議員が酩酊状態で事故を起こし、逮捕された。「遅刻、早退、居眠りなど素行が悪く、とうとうやったか、という程度」(自民党中堅議員)と驚きは少なかったものの、参院会長選には余波が及んだ。選挙戦終盤の大事な引き締めの時期に、森元首相は謹慎せざるを得なくなり、動きが封じられたからだ。若手参院議員が言う。
「ホッとしましたよ。締め付けがなくなって、若手の多くは、世代交代を訴えている中曽根さんに投票したはずです」
後継に長男をと考えていた計画はパーになり、自らの影響力も急降下。子分だと思っていた安倍晋三元首相も公然と反旗を翻して中曽根氏支持に回り、清和会は崩壊したも同然だ。
自民党内には、息子に足を引っ張られた森元首相への同情論は少なく、むしろ「抱きつき心中、よくやった」と長男を評価する皮肉な声が聞かれるという。
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