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 トヨタとホンダが新車開発を競う「ハイブリッドカー(HV)戦争」は、トヨタにまず軍配があがった。

「ホンダが09年2月に発売した『インサイト』は、189万円という低価格が受けて、好調に滑り出した。しかしトヨタが新型『プリウス』を5月に発売すると、形勢は一気に逆転。プリウスの燃費がリッターあたり38㎞に対して、インサイトは30㎞、価格がわずかに高くても性能が格段に上ということで、お客が一気に流れたんです」(全国紙自動車業界担当記者)

 日本自動車販売協会連合会によれば、今年1月~7月までの自動車販売台数は、プリウスが約20万台と圧倒的な数字をたたき出す一方で、インサイトはわずか2万6000台と大きく水をあけられた。今年7月の記者会見に立ったホンダの近藤広一副社長も、

「値段と性能をあわせた価値でプリウスが上だった」

 と完敗を認めた形だ。

 ホンダは起死回生の「奇策」に打って出る。人気の小型車「フィット」のHV版を、当初の予定より前倒しして、今秋に発売するというのだ。

「ホンダの伊東孝紳社長は『しばらくはHVで勝負する』とよく言っています。日産や三菱自動車は電気自動車に注力していますが、トヨタとホンダは今後10年以上はHV市場を主戦場にするつもり。
  ガソリン車のフィットは、販売台数1位のプリウスに次ぐ人気車種。そのHV版を発売するのは、ここで負けたらもう後はないという、伊東社長の意気込みの表れですよ」(経営評論家の高木敏行氏)

 フィットHVは、150万円台という低価格を実現するといわれている。これを迎え撃つトヨタは、

「HV市場が活性化することを期待しています」(広報部)

 と余裕の構えだが、自動車評論家の国沢光宏氏は「それにはワケがある」と解説する。

「トヨタは来年、フィットと同じクラスのヴィッツHVを発売予定です。燃費はリッター43㎞とフィットHVを上回る可能性が高い。フィットHVの売れ行きによっては、前倒し販売も考えられます」

 HV戦争"第二幕"は、熾烈さを増しそうだ。



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