'10年3月期から始まった1億円超の役員報酬の個別開示。東京商工リサーチの調査では、個別開示した企業は117社、役員数は233人に達した。だが、ほとんどの企業は平均年収が下がっていたのだ。社員の本音に迫った。
「'08年冬から賞与の3割カットが続いて、この2年で年収が100万円減りました。小遣いも半額の月3万円です。はっきり言って、役員との格差に愕然としますね」
日産自動車社員(30代後半)が嘆く。今年3月期の決算から、1億円を超える役員報酬の開示が始まった。その結果、一部企業の、役員への"大盤振る舞い"が話題となった。中でも、日産のカルロス・ゴーン社長(56)は、8億9100万円もの高額報酬を得ていた。
社長の給料がそんなに高いのなら、社員の給料もさぞいいのだろうと思いきや、冒頭の証言のように、実は大幅に下がっているのだ。
これは日産に限らない。本誌は、東京商工リサーチの調査による「高額報酬ランキング」上位企業のうち、社員の平均年収が'09年3月期から'10年3月期にかけて減った企業数を確認した。すると、ランキング上位34社(トップ50人から重複企業を除いた数)のうち24社が、前年よりも社員の平均年収が下がっていたのだ。持株会社を除いたその20社をまとめたのが4ページの表だ。
社員の平均年収は、日産で101万円、ソニーで116万円、三井物産に至っては182万円も下がっていた。東京商工リサーチの情報本部・関雅史課長が指摘する。
「リーマンショック以来の業績悪化で、社員の年収は下降傾向にあります。特に、業績に連動する賞与を採用している企業では、年収の減少に直接響いています。
一方、役員報酬は、多くの企業が業績にリンクしない安定的な『基本報酬』として支払っています。開示された233人の役員報酬総額の約65%はそうした基本報酬でした。役員は業績にかかわらず、高額の報酬がもらえるケースが多いんです」
前出・日産社員もこう話す。
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