横浜の日産スタジアムに2日で13万人を集めて、初の単独野外ライブを成功させたXJAPAN――。「宗教的」ともいわれる人気は不動だったが、実は直後から内部分裂が始まり、争いは泥沼化している。
予兆はあった。私が、本誌の7月29日付けで報じた「事務所社長」の指名手配である。その後(8月7日)、TOSHI(ボーカル)とHEATH(ベース)が所属する芸能プロダクションの高野一男代表は出頭して逮捕された。
引っ越しのアートコーポレーション前会長に対して詐欺未遂を犯したという容疑はともかく、XJAPANの復活に伴う巨額マネーが、各所に混乱を生じさせている。
まず、行動を起こしたのは12年前の不慮の事故後も、熱狂的なファンを有し、今年5月、築地本願寺で行われた13回忌法要に、3万500人が献花の列をつくったというギタリスト・HIDEの所属事務所・ヘッドワックスオーガナイゼーション(ヘッドワックス)と、HIDEの肖像権を持つエッチアンドピー(H&P)である。
HIDEの肖像が、SANKYOが9月6日に発売を予定している「FEVER XJAPAN」に勝手に使われているとして、8月24日、H&Pは東京地裁に「商品販売差止等仮処分命令」の申し立てを行った。同時に、日産スタジアムのコンサートで肖像を無断使用されたとして、主催者であるJAA(ジャパンアミューズメントエージェンシー)と、権利関係をまとめたリーダー・YOSHIKIの事務所・JMA(ジャパンミュジックエージェンシー)に対し、損害賠償請求訴訟を起こしている。

なぜ、ここまでこじれたのか。
HIDEのホームページで、ヘッドワックスが、詳細に経緯を記している。概略は以下の通りだ。
2008年に再結成の話がYOSHIKIと元マネージャーの眞下幸孝氏の間で持ち上がり、ヘッドワックスは資金面も含めて側面協力した。
しかし、その後、SANKYOのパチンコ機代理店のJAA、解散以降、すべての権利関係を継承したJMAの不誠実な対応が続いたため、今年5月17日、「HIDEの肖像を使用しないように」と通告した。
すると、JAA側から依頼を受けた眞下氏の会社から連絡があり、「ヘッドワックスが眞下氏の会社に貸し付けている3億円を含め、23億円をJMAに支払わせるから協力して欲しい」と、連絡があり、JMAとH&Pは「覚書」にサイン、JAAは「確認書」でJMAに履行させることを約束したにも関わらず、7月30日の期限までに支払いはなされなかった――。
そのため「覚書」は無効になった。にも関わらず、コンサートで映像が使用され、パチンコ機は発売を予定されている。ヘッドワックスとH&Pは、「HIDEの権利を正当に守るため」に、仮処分を打ち、訴訟を起こしたのだという。
ここで疑問なのは、なぜ23億円なのかという点だ。肖像権を主張するのはわかるが、23億円は法外ではないか――。
スポーツ紙や週刊誌などで報じられたXJAPAN騒動の一番の疑問はこれだろう。
H&PはHIDEの父親の会社でヘッドワックスはHIDEの実弟の会社だ。遺族がゴネている印象だが、その"謎"を解くカギが、再結成にあたって、YOSHIKIと眞下氏の間(現実にはJMCとYOSHIKI個人、眞下氏の会社と氏が仕切るXJAPAN制作運営委員会で締結)で結ばれた「出演契約書」である。
第7条の「経費の負担」には、こう記されている。
< 甲(JMA)及び乙(制作運営委員会と眞下氏の会社)と丙(YOSHIKI)とは、本契約にて定める丙の出演に係わる諸経費の負担に関して、下記の通り定めるものとする。 >
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