「鳩山さん、悪いのはあなた、 国民のせいにしないでね」 田中秀征×田崎史郎

2010年01月19日(火) 週刊現代
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田中 昔から、鳩山さんは問題を泳がせるんです。たとえて言うと、大きな鍋でいろんな具材を煮ているようなもの。その中には小沢一郎さんもいるし、社民党もいるし、亀井静香さんもいるし、沖縄県民もいるし、オバマ大統領もいる。時々フタを取ってかき回して、またフタを閉める。何を作っているんだと聞いても「いいものができる」と言うだけで、それ以上、何も言わない。結局、何ができるか、自分でもよく分かっていないのではないか。鳩山さんはそういう手法で今まで政治生活を送ってきたと思うんですよ。

田崎 言い得て妙ですね。

田中 しかし、今まではある種の成功体験を得てきたとしても、総理大臣としてこの手法は通用しません。

田中秀征

 私が推測するところ、鳩山さんは普天間基地の問題をずっと先送りしたかったはずです。社民党が基地を辺野古へ移設するなら連立を離脱すると宣言をして、ホッとしたんじゃないでしょうか。先送りの責任を社民党に転嫁することができるからです。今回の予算編成に対する小沢さんの要望も同じでしょう。

田崎 たしかにそうです。

田中 メディアや国民の批判がそっちに向かうので、責任が自分のところに来なくなるんです。ただし、この手法には限界があって、それが続くと、みんなが首を傾げてくる。

田崎 鳩山さんは総理の役割について「コンダクターだ」とおっしゃいましたね。「皆さんのいい音色が出るようにやるのが私の仕事です」と。けれども、タクトを振らないんですよね。みんなが好きな楽器を好きなように奏でている状況がずっと続いている。

田中 それ以前に、曲目を決めないんですよ。

田崎 鳩山さんの言葉使いにも問題があると思います。使ってほしくない言葉は、「国民」ですね。

田中 まったく賛成です。

田崎 「国民」というと「みんな」なんですよね。国民の要求はそれぞれ違うわけです。それなのに「国民の思いを大切にして」などと言って、本来は自分の決定のはずなのに、「みんな」のせいにして曖昧にする。

田中 言葉を軽々しく使ってもらいたくないですね。

田崎 元秘書が政治資金規正法違反で起訴された直後の会見で鳩山さんは、進退問題について「国民の気持ちが傾いたときには……」と語り、世論の動向次第では進退を考えることを匂わせた。首相の進退は本人しか決められないのに、こういうことを言うんです。

田中 それも鳩山さんの政治手法なんですよ。

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