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インターネットが普及し、ユーザー数も当初とは比較にならないくらい爆発的に増大した。
あらゆる場所と人々がつながったいま、インターネットを利用するということは、ただ検索や買い物、情報発信のためだけではなく、社会そのものを変える可能性にも満ちている。
実際に、新しい産業が生まれ、旧来の産業のなかには価値転換を迫られているものもある。あまりにも変化の速度が激しいため、我々自身がその状態に適合する術を知らない。

本連載ではインターネットを介在させることで、これまで見過ごされてきた価値や経験などのヘリテージ(財産)を、新しい未来へとどう接続し直していくのか、コミュニケーションやメディアの変遷を通じて探ってみたい。
例えば、それは筆者のフィールドであるメディア産業を軸に、金融、製造など、多岐にわたる分野で起きつつあることを取り上げながら、新しい環境に我々が適合するためのヒントを探っていきたい。

 前回に引き続き、5月にカナダのトロントで開催された「メッシュ・カンファレンス」のハイライトをお伝えする。今回は、ゲーミフィケーションについてだ。「メッシュ・カンファレンス」の最終日にあたる26日、二回目の基調講演を務めたゲーブ・ジカーマン(Gabe Zichermann)氏の講演は白眉だった。

 多くの日本人にとって、「ゲーミフィケーション」は耳慣れない言葉かもしれない。直訳すれば、「ゲーム化戦略」といったところだが、ウェブ・マーケティングにおける最新キーワードでもある。

 簡単に言えば、ゲームにおいて用いられるテクニックを、ゲーム以外の分野に応用しようという考え方だ。たとえば、ウェブに訪れる顧客とのコミュニケーションなどが対象となる。また、ウェブのみならず、イベント等も含めたさまざまな顧客接点でこの考え方を用いることができる。マーケティングの分野ではゲーミフィケーションを用いることで、企業はより顧客とのエンゲージメントを高めることが期待されている。非商業分野では、教育や社会貢献などでも応用可能だ。

 ゲーミフィケーションのわかりやすい事例として、もしくは古典的なものとしてよく挙げられるのは、航空会社が行うマイレージ・プログラムやスーパーマーケットのポイントカードなどがある。

 マイレージ・プログラムでは、その航空会社を利用すればするほど、顧客自身のアカウントにマイレージが溜まっていく。いずれはその報償としてチケットを入手、もしくは良い席へのアップグレード等ができるため、顧客のモチベーションも継続し、それにより適切なサービスを享受できればロイヤリティも増すだろう。

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