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スウェーデンは本当に幸せな国なのか
日本もこうなるの? 高福祉高負担

 「菅直人総理が就任会見で、強い経済、強い財政、強い社会保障を実現すると発言したことで、スウェーデンへの注目が増していることは知っています。ちょうど今日(8月3日)、小渕優子代議士がストックホルムを視察に訪れています。

 もちろんスウェーデンは理想郷ではありませんし、世界中のどこにも理想郷などありませんが、スウェーデンはいくつかの問題について長い年月をかけて解決策を見つけてきた、というのが正しいと思います」

 駐日スウェーデン大使のステファン・ノレーン氏は本誌の取材に、自信満々にこう答えた。

「日本の方がいい国です」

 小学校から大学院まで、教育費はすべて国が負担、医療費もほぼ無料(1回あたり2500円程度の初診料のみ)、年金制度も磐石で、貯金がなくても老後の生活の心配はなく、自殺率は日本の半分―高福祉社会を語るとき、常にモデルケースとして取り上げられる北欧の伝統国・スウェーデンは本当にそんなに幸せな国なのか。

 7月21日、朝日新聞の投書欄に、「スウェーデンは理想郷ではない」と題する一文が掲載された。投書したのは、スウェーデン人と結婚し、ストックホルムで小学校教員を務めるフス・恵美子氏(39歳)。日本で賞賛されている「理想の国家」は、実際に住んでみると多くの問題を抱えている、という内容だった。

 フス・恵美子氏に投書した真意を聞いた。

「日本の大学教授などが、スウェーデンに好意的な論文を書き、スウェーデンが理想郷として語られているのを聞くたびに、歯がゆい思いをしています。私はストックホルムに住み始めて13年ですが、当初から『学生のときに勉強したのとは随分事情が違うな』と思いました。日本に一時帰国すると、いつも『日本はなんていい国なんだろう』と思います」

 フス・恵美子氏があげるスウェーデン社会の問題点は、(1)教育、(2)年金、(3)医療、(4)就職難など多岐にわたる。

 まず、教育問題では、教育にかかる費用が無料だとはいえ、教師の質に大きな問題があるという。

「日本のような教員採用試験がないため、教師の当たり外れの差が大きい。日本人の私に、『昨日急に語学の先生が辞めたから、明日からスウェーデン語と算数を教えて』と言われたこともあります。

 中学でも、『なぜこの課題をこなさなければならないのか』を議論するのに延々と時間を費やす。小学校入学以前の保育費用は無料ではなく、月に2万円程度。我々の収入からすると、かなり高額です」(フス・恵美子氏)

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