「脳を休養させる」のは、効果あり?


電車で移動するときも、音楽を聴きながら本を読んだりメールをチェックしたりと忙しいし、家にいるときは常にテレビをつけっ放しで、さらにネットで情報をチェックしていて、なにもせずボーッとしていると「損をしているような気がする」

【HBR会員誌2011年4.5月合併号「脳の老化を防ぐための諸説の真偽」より】

 電車で移動するときも、音楽を聴きながら本を読んだりメールをチェックしたりと忙しいし、家にいるときは常にテレビをつけっ放しで、さらにネットで情報をチェックしていて、なにもせずボーッとしていると「損をしているような気がする」

 「なにかしなくては、という強迫観念に駆られる」という人が少なくない。

 ところが、子どもの脳の発達について研究する人の多くは「子どもの脳の発達のためには、情報を詰め込み過ぎてはだめ。

 なにもせずボーッとする時間が必要だ」という。大人にはボーッとしたり、「脳を休ませる」ことは必要ないのだろうか。

 「一生懸命に勉強したり新聞を読んだりしているときだけ、脳が盛んに働いているわけではありません。情報を詰め込んでいる意識がないときも、脳は休まずに働いています。ボーッとしているときに素晴らしいアイディアがひらめくことも、よくありますよね。このひらめき=インサイトが脳のどの部分で生まれるのかを研究している人もいますが、こちらもまだ結果が出ていません。脳は、ボーッとしているときだけでなく、睡眠中も忙しく働いています。つまり脳は『休ませよう』と思って、意識的に休養させられるものではないのです」(榊原洋一先生)

【取材協力者プロフィール】
榊原洋一先生 小児科医・お茶の水女子大学教授
1951年、東京都生まれ。医学博士。東京大学医学部を卒業。東京大学医学部講師、東京大学医学部附属病院小児科医長を経て、お茶の水女子大学チャイルドケアアンドエデュケーション講座教授。発達神経学、神経生化学を専門とし、小児科医として発達障害児の医療に長年携わる。
著書に『子どもの脳の発達臨界期・敏感期』、『「脳科学」の壁』(ともに講談社+α 新書)ほか、多数。

取材・文/若尾淳子
引用:HBR会員誌2011年4.5月合併号p37
 

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