「公務員制度改革」に逆行する民主党政権を批判して経産省事務次官に退職を宣告された古賀茂明氏の「勇気」民主党政権の本質は暴かれた

2011年06月27日(月) 高橋 洋一
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 さらに、官僚は出勤時間や昼食時間は多少ルーズであるが、それらの記録管理が厳しくなったり、私用の電話やパソコン使用へのチェックを頻繁に行うことがある。

 おそらく、古賀さんの場合にも、今回のように事務次官が直接に退職要請する以上、それらのエビデンスをもって圧力をかけたのだろう。

 私も安倍政権で内閣参事官(総理大臣補佐官補)として官邸にいたとき、優秀で改革的な経産官僚を官邸に入れようとしたところ、些細な出勤状況の不備をあげつらって経産省はそれを潰した。

 古賀さんはもともと外で批判するような人でなかった。一般のサラリーマンなら、自分の企画が通らないことを外で批判したら社内処分を受けるかもしれない。しかし、古賀さんの場合は、公益があるので同じに論じられない。

 民主党の政権交代は、国民の期待を裏切ったことが多い。その筆頭は公務員改革だ。まさに、その民主党政権の公務員制度改革を、古賀さんは批判している。それは私も大いに共感し、マスコミが報じないその実態を、もっと広く国民に知らせるべきだと思う。

 「三度殺しても足りない男」

 そもそも公務員改革は日本の将来にとって重要だが、なかなか政権は取り上げてこなかった。私は小泉政権と安倍政権において財務省ではなく官邸などで政策立案を行ってきたが、小泉政権の時には郵政民営化に手一杯で公務員改革まではなかなか行けなかった。

 小泉政権時代に政策金融改革として、公的資金の調達と運用という意味で郵政民営化とコインの裏表の関係にある政策金融の民営化・一本化があった。政策金融機関は主要経済官庁事務次官級の最高級の天下り先であり、その改革はタブーであった。しかし、小泉政権時代、その各省事務次官の天下り先を1つにまとめた。これは霞ヶ関で大きなショックだった。

 その担当者であった私は、「霞ヶ関の敵」、某財務省幹部から「三度殺しても足りない」といわれた、実際、親しくさせてもらっていた先輩官僚から「政策金融だけは止めろ。それさえなければ君は財務省の中興の祖なのだから」と説得された。

 ただ、私の見立てでは、政策金融改革で政策金融の規模を縮めないと、郵政民営化しても民営化された郵政は活動の場がなくなり衰退・破産への道をたどるだけであった。それを正直に小泉総理と竹中大臣に進言し、そのミッションを実施しただけだ。(民主党になって、郵政民営化の見直しとともに政策金融改革も見直しだ。これで各省事務次官はさぞかし喜んでいるだろう)

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