経済の死角

英国ハイテク企業はマレーシアを目指す
ダイソン、その強さの秘密に迫る【後編】 取材・文 小林弘人

なぜ日本のメーカーにはつくることができないのか

2010年08月27日(金) 小林弘人
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強度テスト自動的にゴミを吸いながら幾度となくカーペットの上を往復させる (左) 横から見たところ(右) 〔PHOTO〕小林弘人(以下同)

【前編】 はこちらをご覧ください。

マレーシア進出の理由

 さて、これまでダイソンの革新的な技術について述べてきたが、実は英国南部に位置するウィルトシャー州にあるダイソン本社では製品の製造を2000年より行っていない。

メイバン社のエントランス自動化された設備が整然と並ぶメイバン社内自動化された工程のなかに、人の目による検品が組み込まれている

 前述のダイソン・デジタルモーターを生産するのは、シンガポールにあるメイバンという会社だ。

 同社の研究開発チームリーダー、デュー・フェー・キック氏によれば、同ラインは2009年に生産開始し、年間82万個から最大時には125万個の生産を行っているそうだ。同工場の生産力は、16.4秒で組み立ててしまう。

 ダイソンの説明では、ダイソン・デジタルモーターへの設備投資として300万ポンドを投じたようだ。このメイバン社はダイソン製品のエンジンを供給する重要な拠点となっている。

 ダイソン・デジタルモーターはシンガポールで開発・生産されているが、そのほかの部品は隣国のマレーシアで生産されている。

 その中核を占めるのがダイソン・マレーシアだ。同社とそれ以外の協力会社(サプライヤー)は、マレーシア最南端のジョホール州の州都ジョホールバルに位置し、シンガポールへは車を使って1時間内で行き来することが可能だ。

 このジョホールバルには国際空港も完備され、自治体を挙げて世界中のハイテク企業進出を歓迎している。

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