北京のランダム・ウォーカー

長蛇の列に横行する「横入り屋」、客を怒鳴る「高速レディ」
中国版新幹線「和諧号」の前途多難

「鉄チャン文化」が生まれるのはいつの日か

2011年06月27日(月) 近藤 大介
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「高姐」(高速鉄道レディ)なるものの採用が行われ、身長168㎝~170㎝で容姿端麗、英語に堪能な美女たちが接客にあたるという〔PHOTO〕gettyimages

 6月30日、中国共産党創建90周年記念日を翌日に控えたこの日の午後3時に、総工費2200億元(1元=12・5円)を超える中国建国以来最大の国家プロジェクトが、上海虹橋駅でお披露目となる。「中国版新幹線」こと北京-上海高速鉄道「和諧号」の開通である。

「和諧号」は、両都市間1318kmを、最高時速300km、最短4時間48分で結ぶ。「和諧」は、「調和の取れた」という意味で、「和諧社会」は胡錦濤政権のキャッチフレーズである。このため中国の高速鉄道は、北京-上海間に限らず、すべての車両が「和諧号」と名付けられている。

 北京-上海間の「和諧号」は、1994年に時の江沢民主席がゴーサインを出して以来、実に17年。幾多の艱難辛苦&紆余曲折を経て、最後は鉄道大臣のクビまで飛ばして、ようやく党創建90周年に駆け込みセーフで、開通にこぎつけたのだった。

開通直前にとばされたミスター鉄道部長

 「ミスター和諧号」と言われ、鉄道部長(鉄道相)の座に8年間も君臨していた劉志軍大臣は、いまから4ヵ月ほど前の2月8日、トレードマークの黒サングラス姿で安徽省阜陽駅に現れ、旧正月の視察を行った後、忽然と姿を消した。後に共産党当局は、「重大な違反により調査中」と短く発表しただけで、現在に至っている。

 後任には、盛光祖・税関総署長が横滑りした。こちらは「ミスター無難」との異名を取る官僚で、北京-上海「和諧号」の最高速度は、新大臣の「鶴の一声」で、たちまち380kmから300kmへと減速されたのだった。

 こうして日本の東京-大阪間の新幹線開通に遅れること47年、ついに中国も、本格的な高速鉄道時代を迎えたのである。

 中国の高速鉄道計画は、2020年までに、首都・北京から8時間以内に、全国の主要都市に到達できることを目標にしている。そのため、いわゆる「四縦四横」と呼ばれる路線計画を立てている。「四縦」とは、北京-上海、北京-香港、北京-ハルビン・大連、上海-深圳の南北4ライン。「四横」とは、青島-太原、徐州-蘭州、南京-成都、杭州-長沙の東西4ラインだ。近未来には、全中国を網の目のように「和諧号」が駆け巡ることになる。

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