写真は、名医が選んだ名医たち 宇山一郎 医師/藤田保健衛生大学病院(左) 堀江重郎 医師/帝京大学医学部附属病院(中央) 幕内雅敏 医師/日本赤十字社医療センター(右)もし自分が病気になったら、腕の立つ医者に診てもらいたい。それは誰もが願うことだろう。だが、素人が自分で探すのは容易なことではない。日々患者と向き合い、信頼を集める名医こそ、「名医を見極める目」を持っているはずだ。彼らの話から見えた、"真の名医"とは―。
名医が大腸がんになったら
「40代で大腸がんの手術を受け、50代で腹部の動脈瘤が破裂し、一命を取り留めるという患者経験をしたことで、医者としての考え方は大きく変わりました。
それまで手術を成功させ、生存率を上げることを第一に考えていましたが、それだけではいけない。患者さんの術後の生活の質(QOL)を高めることこそが最も大事だと気づいたのです」
頭頸部がん手術の名医・杏雲堂病院の海老原敏院長こう話すのは、頭頸部がん手術の名手であり、三笠宮寛仁親王殿下の主治医としても知られる杏雲堂病院(東京都千代田区)の海老原敏院長である。
喉頭を残すことで、患者の「声」を奪うことなくがんを取り切る機能温存手術への道を切り開いた第一人者で、その技術には、寛仁親王殿下が「海老原マジック」と称したという逸話もある。
そんな海老原医師が大腸がんにかかったのは、国立がんセンター中央病院(現・国立がん研究センター中央病院)の医局長として多忙を極める48歳のときだった。
最初の兆候は、献血の際に表れた。「比重が足りない」と断られたのだ。だが、多忙な日々に追われ、対処をしないでいると、半年後には、3~4時間睡眠で平気だった生活スタイルが保てなくなっていた。
「いつも朝5時には病院に行っていたのに、起きられなくなったんです。おかしいと思って血液検査をしたら、貧血が悪化して、ある腫瘍マーカーの数値だけ基準値を超えていた。これは大腸がんかもしれないと、直感しました」
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